【接触しすぎも要注意!】学生が思う魅力的な内定者フォローとは?

新卒採用において面接・選考といったプロセスが重要視されていることは言うまでもありませんが、内定承諾者が無事に入社式を迎え、入社後の新人研修にスムーズにつなげていくための最終段階「内定者フォロー」も、決して無視できない大切なポイントです。 そこで今回は、内定者フォローの目的や方法・注意点についてご紹介していきます。

1. 内定者フォローとは?目的は?

内定者フォローとは、入社前の準備として、企業や仕事を理解したり、内定者同士の親睦を深めたりするフォローのことを言います。期間としては、選考後に内々定を出してから入社直前までです。
企業としては、内々定出しから、内定承諾への学生の意向アップの目的も兼ねているため、社員と学生による面談をして、自社の魅力づけやミスマッチの軽減を図ったりしています。
この、学生の意向アップが内定辞退防止にもつながってきます。

以下の図と表は、「面接人数を100」とした場合の内定出し人数および内定数の割合を示したものです。

出典)就職白書2018 -採用活動・就職活動編- | 株式会社リクルートキャリア

面接から内定までについて、『面接人数を100』とした場合で見ると、「内定出し人数」は21.7、「内定数」は11.9となっていて、2017年卒と比較すると「内定出し人数」で3.0、「内定数」で1.4高くなっています。 従業員規模別に見ると、「内定出し人数」はどの規模でも高くなっていますが、特に5000人以上は他の規模よりも高い32.0で 前年より8.5高くなっています。「内定数」も、5000人以上企業は17.3と、2017年卒よりも4.4高くなっています。

2017年卒は内定率が87.7%、平均内定取得社数は2.22社でしたが、2018年卒の内定率は88.4%、平均内定取得社数は2.54社となりました。平均内定取得社数が増加することで、内定辞退数も増加することになります。そのため、企業は自社へ内定承諾をしてもらうために、様々な内定者フォローを行う必要があります。

内定者フォローを行う期間を大きく分けると、①選考後内々定を出し、内定承諾までの期間、②内定承諾から内定式までの期間、③内定式から入社直前までの期間、の3つになります。この3つについて、以下で詳しく説明していきます。

①選考後内々定を出し、内定承諾までの期間

1社に絞り切れていない学生も多く、内定承諾をすることを迷っている時期です。この時期は面談や電話などの直接的なフォローや、メールなどITツールを活用した間接的なつながりなど、適度な距離感を保ちながら悩みを解消できる情報開示をして、内定承諾の意思決定ができる判断材料を提供することが大切です。

②内定承諾から内定式までの期間

承諾はしたものの、学生は社会人になることへの不安や悩みを多く抱える時期です。定期的な連絡や面談を行い、内定者の気持ちを受け止めて共感を示しながら、面談者も自己開示をして内定者との信頼関係を築くことが大切です。また、適切な情報開示を行いながら内定者の悩みや不安を取り除くことが大切です。

③内定式から入社直前までの期間

入社の意思も固まり、内定辞退者は減っていきます。この時期は、社会人マナーや仕事の基本となるスキルを学ぶための研修や勉強会を開催して、入社に向けてモチベーションを高めていくことが必要です。また、入社直前の時期は単位の取得が危うく卒業できない可能性がある学生向けに、相談室を設ける企業もあります。

2. 魅力的な内定者フォローって?

学生にとって魅力的だった内定者フォローにはどのようなものあるのか、まずはよくあるフォロー内容を見ていきましょう。

出典)内定辞退につながる!?アンケでわかった「ドン引き内定者フォロー」のリアル

上の図から分かる通り、内定者フォローとして各企業が取り組んでいるのは「電話やメールによる定期連絡」や「懇親会」が多いです。
学生たちはこれらのフォローについてどう感じているのでしょうか。

下の図では、学生が受けた内定者フォローのなかで「入社意欲が高まったフォロー」が挙げられています。

出典)調査データで見る「内定者フォロー」2017 | 株式会社ディスコ

50%以上の学生が社員や人事担当者との懇親会で、約25%の学生が電話やメールによる定期連絡で、入社意欲が高まったと感じています。
志望度が上がった出来事としては、「社長が実家まで車できて両親と面談してくれた」「内定式のあとの懇親会で取締役にお話を聞かせていただいた」「わざわざ県外から来て頂き、夜遅くまで懇親会に参加してくれた先輩が居ると知った時」「懇親会において、先輩社員からさらに詳しい業務内容を教えて頂いたり、会社周辺の環境(おいしいお店など)も話を聞くことができたので、入社後の自身の姿をより想像しやすくなった」といった実例が挙げられています。
志望度が上がった例に共通しているのは、「いかに働いている姿を想像できるか」「社員と直接的接触をしている」という点です。社員・内定者同士と関わる機会やコミュニケーションを上手に活用することが鍵となってくるかもしれませんね。


出典)調査データで見る「内定者フォロー」2017 | 株式会社ディスコ

また、就職決定企業からどのような課題や研修があったかを尋ねた学生調査において、形式として最も多いのは「通信教育(e-Learning 含む)」で 43.7%となっています。企業にとって時間やコストの面においてメリットが大きい点が魅力であり、導入しやすいのでしょう。学生側も「卒論で忙しい時期に本社へ出向くのは負担だった」といった声もあり、自分の都合に合わせて取り組めるスタイルは一定の支持を受けています。

続いて、就職決定企業から課された課題・研修の学習内容(分野)についても見てみましょう。

出典)調査データで見る「内定者フォロー」2017 | 株式会社ディスコ

学習内容について「よかったと思うもの」として最も高いのが「資格取得・業界特有の専門知識」で、受けた人のうち約8割(78.4%)が受けてよかったと回答しました。内定先の業界や職種によって、簿記、宅建、プログラミング言語など多岐にわたりますが、比較的時間のある入社前に取り組めたことを前向きに捉える学生が多かったです。

3. 注意しなければいけないこと

ここまで、魅力的に思われる内定者フォローについてご紹介してきましたが、ここからは内定者フォローで注意しなければいけないことについて触れていきます。

前の「入社意欲が高まったフォロー」の図で、社員や内定者との直接的接触・交流が学生にとって魅力的と述べました。だからと言って、とにかく直接的接触を増やそうというような、やみくもな内定者とのコンタクトは良くありません。

出典)2017年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況

マイナビのモニター調査によると、希望する接触頻度は「2か月に1回程度」が44.8%、「1ヵ月に1回程度」が39.4%と、1~2か月に一度の接触で構わないと考えているようです。それより高頻度になると、卒論の執筆に差し障りが出たり、最後の学生生活を楽しむ時間が減ったりという側面もあります。
つまり、適度な距離感を保つ必要があるということです。

また、2016年卒の採用過程で問題となった「オワハラ」にも要注意です。

オワハラとは…
「就活終われハラスメント」の略で、新卒採用活動で内定を出した学生に対し、企業側が他社の選考辞退を強要するなどして就職活動を終わらせるようと迫る行為のことです。
面談の中で意識せずともオワハラになっていることもあるかと思います。相手の意向に沿わないような誘導が多すぎると、オワハラと思われるリスクもあります。
「オワハラ=ブラック企業」のレッテルが貼られれば逆効果ですから、人事部以外の社員も言動には十分気を付けたいものです。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?
内定者フォローは内定辞退防止だけでなく、入社に向けて教育・育成の機会として活用することで入社後に職場環境の適応や仕事のスタートアップをスムーズにする効果があります。
卒業前の学生である内定者の負担増になりすぎないよう考慮しつつ、学生に寄り添った内定者フォローを行うことが、内定承諾と入社後の定着率につながるのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

武田夏子

都内の大学に通うインターン生。株式会社アイタンクジャパンでライターを担当している。趣味はカフェ巡り・百人一首。