【10社の事例つき】新卒採用を通年化する企業が増加中!

2018年1月、リクルートが国内グループ9社の新卒採用をリクルートに統合すると発表しました。また、リクルートが独自に行なっていた「30歳まで応募可能な新卒採用」「通年エントリー」を9社に拡大しました。

近年リクルートだけではなく、新卒採用を通年で行う企業も増えてきました。なぜ、そのような企業が増えているのでしょうか。
新卒採用を通年で行うことのメリット・デメリット、そしてどのくらいの企業が実施しているのかについて触れながら、新卒採用を通年で実施することの理由について迫ります。

通年採用のメリット

多様な人材を確保できる

新卒採用を通年で行うメリットの一つは、多様な人材を確保できることです。
通年の新卒採用の応募対象者には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 年齡が幅広い
  • 留学経験者や理系院生、体育会学生と多様である

一般に、優秀な学生ほど就活を早期に始める傾向があると言われています。特に、1・2年生の段階でエントリーする学生は、周囲が就活を始めたからという理由ではなく、自分の意志で早期から志望してくる学生と言えます。よって、通年採用を実施することで、入社意志が強く、意欲的な学生と出会いやすくなります。
人材確保の視点から考えると、なるべく早くこのような学生と接触しておきたいところです。倫理憲章に左右されにくい外資系企業がこういった人材確保に強い、という意見もあります。
また、留学に行く学生や、理系院生・体育会学生などは、通常の就活開始時期より就活の開始が4・5か月遅いと言われています。通年採用ではこのような学生ともしっかりとコンタクトが取れます。

時間的に余裕が持てる

新卒一括採用のデメリットの一つで、面接・面談などの選考活動が特定の期間に集中するという点があります。最近では、採用手法の多岐化・求人倍率の高騰により、主体的な採用活動が必要となってきています。この点も、採用活動のピーク時期に人事担当者へさらなる負担を増やしていると言えます。
それに対して通年採用は新卒就職活動時期のピークを避けられるので、応募者数を分散させることができます。面談や座談会など、学生1人1人と接する時間を取りやすくなるため、自社に適した人材であるかなど、応募者をしっかりと見極めることができます。学生側も深く企業を知ることができ、お互いに慎重な判断を下せることで入社後のミスマッチを防ぐことができます。

通年採用のデメリット

採用コストが増える

通年採用のデメリットは新卒一括採用に比べて、コストがかかることです。
選考の時期が分散されることで、事前研修などの社員研修も分散されます。採用そのものを適宜行うことで、選考・教育・管理の手間と費用がいちいちかかるということです。選考・教育・管理に関して具体的に言えば、以下のようなデメリットが挙げられます。

  • 一回の面接や試験の実施で大量の応募者を捌くことができない
  • 内定を出すまでの選考期間が長期化する
  • 社員研修を一括化できない
  • 人事評価や待遇の変更などの管理内容も多様化する
  • 入社後の成長過程など、社員への評価基準が見極めにくくなる

採用広報が難しくなる

就職活動の時期は、一度に多くの学生が動くので自社PRの効果が期待できる時期です。多くの人材や優秀な人材を探している企業にとって一括採用の時期は、より多くの人材を集めるのに良い環境だと考えられます。
自社PR、情報発信という面では、新卒一括採用に比べ通年採用は少し不自由かもしれません。特に情報公開にコストをかけられない場合、継続して情報を発信することができません。そうなると、採用情報が顕在化しづらくなり、より多くの募集対象者に採用情報を知ってもらうことが難しくなります。
また、新卒一括採用をすることで社員にとっては、同じスタートラインに立つ同期が多数いる環境になります。通年採用では、このような同期社員間での競争力の上昇や、組織への同化がスムーズに行えるなど、新卒一括採用ならではの効果が期待できません

通年採用実施企業10選

最近、通年採用を導入し始めている企業は増えつつあるようです。募集対象や職種に条件をつける企業が多いですが、中には新卒採用通年化のための新しいシステムを用いている企業もあります。以下では、通年採用を導入している企業を採用条件や選考方法などの特徴を挙げながら、いくつか紹介してみたいと思います。

株式会社ファーストリテイリング

  • 大学1・2年生も応募できる。
  • 不合格であっても次の年に再びチャレンジすることができる。
  • 選考フローの中のインターンシップに参加し、選考を通過した人には「ユニクロパスポート」を発行する。
  • ユニクロパスポート発行から3年以内は提示すれば、いつでも最終面接を受けられる。

グローバルリーダー社員 通年採用

楽天株式会社

  • 応募段階から希望の職種と希望のサービスを選び、それに沿って選考を進める。
  • 入社前にどの部署でどのような専門性を持った仕事を担当するのかを確定する。給与も個人の能力や経験により決める。
  • 応募者は選考時期・入社時期を限定せずいつでも選考に参加でき、選考後も個人の都合に合わせた入社時期を選ぶことができる。

エンジニア採用

ソフトバンク株式会社

  • 募集対象は新卒・既卒は問わない、一度就職をした人でも再挑戦ができる。
  • 新卒採用は30歳未満で、入社時期を限定している。
  • No.1採用や就労体験型のインターンシップなど、多岐にわたる選考プログラムがある。

ユニバーサル採用

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)

  • 募集対象に学歴は問わない。入社時期を限定している。
  • エンジニア職・ビジネス職・デザイナー職・デザイナー職(ゲーム)・ゲームプランナー職、での職種別での採用を行う。

NEW GRADUATES RECRUITMENT

株式会社リクルートライフスタイル

  • 大学3年生の3月から27歳まで365日エントリーを受け付けている。
  • 「入社パスポート」と「最終面接パスポート」の2種類の「2 Year パスポート」を交付している。
  • キャリア観醸成の機会として、通年実施の社員座談会、実務型長期インターンシップを実施している。
  • 「最終面接パスポート」:2次面接通過者は、2年以内であれば最終面接から選考をスタートできる。
  • 「入社パスポート」:内々定受諾者は、卒業後2年以内であれば入社時期を選べる。

入社パスポート

ネスレ日本株式会社

  • 年齢・学籍・国籍などを限定せずにエントリーできる。大学1年生からエントリーできる。
  • 従来のエントリーシートやWEBテスト以外の方法でチャレンジできる。(課題提出、ケーススタディ、動画エントリーなど)
  • 選考プログラムである面談やグループディスカッションを行い、通過した人にネスレパスが渡される。
  • ネスレパスを得た人は任意のタイミングで社員参加型研修に参加する。
  • ネスレパスを取得するまでは、何度でもエントリーできる。
  • 全職種を対象としている。

ネスレパス

株式会社メルカリ

  • 新卒・既卒を問わない、年間を通じて募集、採用している。
  • 書類選考時、履歴書・職務経歴書がなくても、代わりとなるものがあれば選考の対象としている。(エンジニアであればソースコード(GitHub等)、デザイナーであればポートフォリオや手がけたプロダクトを提示するなど。)
  • 職種別で採用を行っている。

新卒採用

株式会社メタップス

  • 応募には特定の期間を定めず、随時受け付けている。地方や海外からの応募にも対応している。
  • 受付順に順次書類選考・1次面接を実施している。

新卒採用

株式会社コロプラ

  • 募集対象は新卒の20歳から既卒は30歳まで。募集職種がある限り、通年エントリーできる。
  • プッシュ型採用など様々な採用の形を提供している。
  • 最終面接以外は世界中から参加できる。
  • 職種別で採用を行っている。

採用情報

ユニリーバ・ジャパン

  • 国内外の大学1年生〜既卒3年目までが応募可能である。
  • 二次選考合格から2年間、最終選考を受けることができる。
  • 最終選考合格から2年間入社することができ、4月と10月の好きなタイミングいずれかで入社できる。

ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラム 365 通年採用

まとめ

通年採用は、新卒一括採用に比べ、多様な人材を早期に確保でき、この人材確保難の時流に合った採用手法と言えます。
広報や選考にかかる採用コストの増大を新たな採用管理の仕組みで解決していくことで、通年採用を効果的に実施でき、より自社に必要な人材の確保につながるのではないかと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

籔早織

都内の大学に通うインターン生。株式会社アイタンクジャパンでライターを担当している。 趣味はピアノと日本美術。大学生になってからjazzにも挑戦し、日々奮闘。スポーツの趣味も検討中。