服部泰宏氏×田中研之輔氏による新卒採用責任者向けセミナー「新卒採用を革新する。」

10/19(金)に優秀人材に特化した新卒スカウトサービス「iroots」を運営しているエン・ジャパン株式会社の主催で新卒採用責任者向けセミナーが開催されました。「採用学」を打ち立てた神戸大学大学院准教授の服部泰宏氏と、キャリア教育を通じて4000人以上の学生を社会に送り出してきた法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔氏に『「採用学・キャリアデザイン学」から読み解く優秀人材の見極め方』というテーマのもと、お話をいただきました。

採用現場で起きている「優秀さの定義」のズレ

服部泰宏氏:適性検査の結果や面接の評価などの新卒採用選考における記録が、学生の入社後の業績とどのような関係にあるのかを調べてみたんです。10社を見比べた結果、2つの一貫した傾向が得られました。

まず1つは、様々な適性検査やテストの結果は、学生が入社してから三年後の業績に様々な形で関係しているということです。次に2つ目。面接での評価が高かったからと言って、入社後のパフォーマンスが高いというわけではないということです。面接で見ているのは優秀さではなく人間性だから気にしない、という反論もあるかもしれませんが、入社後の業績に関して言うと面接の評価とはあまり関係がないと言えます。

このような結果が出た企業と話し合う中で、いくつかの可能性が出てきました。

1つ目は、本当に今使用している基準でよいのだろうか、そもそも見ようとしていた能力は適正なのかという可能性です。
そして2つ目は、見るべき能力が適正だったとして、本当に今の面接のやり方で大丈夫なのかという可能性。ストレス耐性1つとっても、より具体的なエピソードに対して質問していくなどの方法は考えられますよね。
そして最後はヒューマンエラーの可能性です。例えば、実際の面接官が高い評価を付けていても、その後の会議で偉い人への忖度が働く、という経験のある方は多いのではないでしょうか。

学生のESの実態と効果的な使い方とは?

田中研之輔氏:何人もの学生のESを見てきましたが、雛形を作ってそれをコピー&ペーストしているケースが大半。ESに真剣に向き合っても損をするだけだと多くの学生が気づいてきているのですね。30社~50社受けるとなると、フォーマットを作り企業に合わせてカスタマイズするだけ。そもそも、大量にエントリーするというのはおかしな話です。働く身体は一つなのですから。

服部泰宏氏:ESといえば、私のゼミの学生がESの分析をしていました。就活生にどんなエピソードを書いているのかをヒアリングしたところ、9割9分の学生が「V次回復ストーリー」つまり、「壁にぶち当たりました、そこである行動をし、どのように解決しました」というストーリーを書いていたことがわかりました。

しかしよく話を聞くと、そのカフェは日本一の来客数を誇る店舗だそうです。その時に私は「それを書けばいいのに」と思いましたね。この話からわかるように、学生は「ESに何を書くべきで、何を書くべきでないか」を気づいていないんです。ESを選考で使うのであれば、企業側は本当に欲しい情報を拾えるようにアレンジする必要がありそうですね。

田中研之輔氏:アメリカではCV(英文履歴書)を送りますよね。日本でいうESにあたるものはアメリカにはないのでしょうか?

服部泰宏氏:いわゆるESのようなものはありません。その代わりに、ストレス耐性を知りたいときは、エピソードのディティールを聞きまくるという方法を取ります。ESでエピソードを書いてもらい、その後面接で深掘る余地を残しているんです。

ABOUTこの記事をかいた人

HeRman編集部

これからの新卒採用がわかる人事向け専門メディア、HeRman[ヘルマン]です。最新の新卒採用手法の基礎知識、成功ノウハウ、採用ツールなど様々なコンテンツを提供し、変化する新卒採用市場において人事の皆様にお役立ちできる情報をお伝えします。