失敗と経験から見えてきたインターン生の厳選採用。株式会社フォースウェーブの採用ポイントを伺ってきた!

今回は、クルーズ予約管理システム「Cruise World」の開発を行う、株式会社フォースウェーブの代表取締役 南社長にインタビューをさせて頂きました。インターン生には、システム開発事業以外での新規事業にあたる翻訳業務(クルーズ旅行での寄港地観光ツアー)やクルーズ旅行に特化したポータルサイトの企画・調査を任せています。インターン生が利益を生み出す仕組みを築いている同社に、インターン生による成果やこれからのインターン採用のビジョンを伺いました。

この記事のポイント

  1. 翻訳業務やクルーズ旅行にまつわる情報の自社サイト企画・調査をインターン生が担当
  2. 利益を公表しインターン生同士でコスト意識を育む仕組みづくり
  3. 徹底的にこだわったフォースウェーブならではの厳選採用

新しい採用に挑戦してみた「長期インターンシップ」

インターン生を採用しようと思ったのは、WEBサイト制作会社を経営している友人がインターン制度を導入し、インターン生がWEBサイトを作っているという話を聞いたことがきっかけです。インターン生に社員と変わらない仕事を任せているということを聞き、非常に驚いたのを今でも覚えています。はじめは自社での活用イメージが湧かなかったのですが、新規事業で、試しにインターン制度を導入しようと考えました。

新規事業は斬新に取り組んでいきたいと思っていましたので、ビジネスにおける固定観念がまだ無い、大学生の皆さんの柔軟な思考はとても貴重に思えました。導入を検討した当時は、長期インターンシップを導入している企業も少なく、かつ弊社の事業ドメインが他社と被らないこともあり、募集を出してみると予想外に多くの学生さんから応募を頂きました。また、初めての募集だったので、採用する人材像も実は曖昧でした。

そのような中で、一人の学生さんとのご縁がありました。応募者にいた某国立大学の理系の学生さんが、数年に渡る海外在住経験、コンピューターにも詳しく、なんと言っても、強い向上心を持っていらっしゃる優秀な学生さんです。まだ学生でしたので当たり前ですが、実際に一緒に仕事をしてみると、社会人としての基礎を作ってあげる必要性を感じました。そこで、慣用句ではない社会人としての挨拶の意味、例えば、お客様に“お世話になっております”と言う意味はどのように考えるのか、名刺交換の仕方がなぜ形式的でそれを大切にしているのか、“ほうれんそう”がなぜ大事なのか、会社と自分との関係を考慮した行動とは、等、社会人としての当たり前を当たり前と捉えずに、論理的に言語化して理解する事の大切さを教えました。そして、いざ、実際に取引先に同行させたところ、彼の対応がしっかりとしていたため、むしろ会社のイメージアップに繋がり、非常に良かったと感じています。学生という身分でありながらも、指導次第で、中途採用の正社員並の戦力となってくれることを期待できると感じました。

仕事をまるっとインターン生に任せている

インターン生には主に、2つの仕事を任せています。1つは、クルーズ旅行での寄港地観光ツアーの翻訳をお願いしています。これは、船会社から受注している仕事です。初期の頃は利益には繋がっていませんでしたが、今では利益を出せるようになりました。さらに、受注する仕事の単位ごとに責任者を定めて、売上や利益などを管理したり、他のインターン生の仕事をマネジメントしたりする立場にさせています。さらに、得られた利益額をインターン生に公表し、責任者同士で競争させます。ここで、大事にしていることは、入社後の経験期間の長短ではなく、単純に仕事単位で人をリードする立場とリードされる側と両方の経験を持たせるという点です。より良い仕事を実践するために、リーダーとしては何が重要であるか、メンバーとしては何が重要であるかを体感してもらうため、このような体制を導入しています。

翻訳という仕事は、じっくり時間をかけてやれば、質は上がるかもしれませんが、時間がかかった分だけ利益率は下がるので、かける時間と質のバランスがとても大事になってきます。このバランスをインターン生自らに考えてもらっています。仕組みの確立には少々時間がかかりましたが、今では皆でコスト意識を持って頑張ってくれています。

2つ目の仕事は、クルーズ旅行に特化したポータルサイトの企画と運営です。弊社のコアなビジネス領域であるクルーズ旅行が、昨今、政府主導で観光立国を目指すプロジェクトでも注目されています。弊社は、クルーズ業界の予約システム開発業務に携わらせて頂き、およそ20年が経過しております。その20年という時間の中で見てきた業界の変遷やそこで得た経験を生かして、クルーズ旅行に特化したポータルサイト制作を新規事業として行うことにしたのです。しかも、このポータルサイトの企画やコンテンツ制作は、インターン生に担当分野を振り分けて責任者を設定して仕事を任せております

コンテンツの企画や表現される情報の方法論的アイディアは、ステレオタイプ的なものよりも、様々な切り口で多面的にデータにアプローチすることで、見ていて楽しいポータルサイトが作成できるという仮定を設定しています。クルーズ旅行を業界の外部から見た目で、柔軟にユニークに捉えて企画を考え、データ収集、調査等をした上で、コンテンツ企画、そしてライティングまで行っています。

特に海外の情報収集・調査業務においては、学生さんが持っている英語能力を存分に発揮してもらっております。弊社からコミュニケーションを取っている各国の主なクルーズ船の寄港地になる港湾局、観光協会など、その海外拠点数は、世界すべての大陸を網羅し現在130ヶ所を超えています。このような仕事を、全て正社員で、あるいは、アウトソースしても、その費用は、ビジネスとして捉えた場合、利益と簡単に結ぶ事ができるような配分には到底なりえません。インターン生としてこの業務を遂行していただけているからこそできる WIN- WINの関係がそこには実現出来ていると思います。弊社のインターン生の傾向は、帰国子女を含め少なくとも1年以上、海外留学を経験した、または、これから留学する学生さんがほとんどです。実際にビジネスシーンで英語を使った仕事ができるのもインターン生の皆さんにとっては魅力であると思います。

責任をもって育てる、だから厳選採用

大学生は将来日本を背負っていく人材です。理想となる社会人像は、人それぞれであると思います。弊社ではインターン生の皆さんが、自分自身で、あるべき社会人の理想を発見または、考えられる場を提供し、その理想に近づく足がかりを機会として提供したいと考えております。これはインターンシップとしての環境を提供する側としての理想でもあり、それを実現できるように願いながらインターン生を育てています。特に、学生時代の環境とは全く異なるビジネスという環境での作業のあり方や進め方、時におこる理不尽な出来事、また、何に共感できて何にできないのか、そう感じたことは、正しいのか、間違っているのかにしっかり向き合ってほしいと考えています。そうすることを通じて、社会人ではないインターン生の皆さんに、ほんの入口ですが、通常の大学生活では経験しにくいビジネス上での様々な考えや行動を経験してもらい、それを受け入れた上でどう判断するのか考えさせることで、社会人としてのアイデンティティの形成に少しでもお役に立てたらと思っております。

ですから、社会人として生きていく人生を受け身的に捉えている方は、当社のインターンシップに合わないと思います。それゆえ、現在の採用は特に慎重に行っています。
まず、インターン生には1週間に12時間以上の出勤と、原則として半年間は続けてもらうことを約束してもらっています。それより少ないと言われたことをやるしかできなくなってしまい、自分で考えて動くことが出来なくなってしまうからです。それから、採用全般に言えることですが、全員が近い距離で仕事をしますので、気が合うかどうかも重視していますね。排他的に見ない物の見方、柔軟性に富み、出された物を全てアリだと思える人が良いと思っています。

また、面接の時に「うちの仕事は言われた事を完璧にすばやくできる事を“仕事ができる”という評価はしない。それは、当たり前であり、いちばん大事なのは、自分で考える事」ということを伝えています。当社の仕事には、ガイドラインはありますが、いわゆる1から10までを細かく指示するマニュアルはほぼなく、自分で考えるという主体性が必要になってくるからです。

失敗と経験から見えてきたこれからのインターン採用と組織作り

採用で失敗したこともありました。
例えば、一般的に言えばかなり英語が得意な方なのですが、当社のインターン生と比べると英語力が劣ってしまい、弊社の仕事をする上での基礎力が足りないということが入社後になって初めてわかったことがありました。逆に、在籍中のインターン生よりも力のある学生が入ると、周りもその人に合わせて自分の能力を磨こうとしてどんどん全体の能力が上がって行くということもありました。
採用はその人本人だけを見るのではなく、現在の組織の状態に合わせてバランスを取る必要があります

受け身で指示待ちが多い方を採用してミスマッチが起こったこともありました。仕事の考え方が合わないとお互いに仕事をすることが難しく、スタイルに合わないとお互いに仕事をすることが難しく、スタイルに合わないと早期に辞めることに繋がってしまいます。これまでの失敗経験を踏まえて、応募してくれる学生のためにも、現在は見極めを慎重に行っています。起業志望のような主体性の高い方を、妥協せず採用していきたいですね

また、海外大学に在学する学生さんからも、卒業の単位に必要なインターン経験として応募してくる方も多くいます。今後は、外国人インターン生の受け入れ始めようとしています。クルーズ旅行は、グローバルに7つの大海を航海します。どの国の学生さんにとっても、全てのクルーズ船のブランドは、身近なはずです。外国人も日本人も混在する組織で、うまくモチベーションづくりをしていこうと思っているところです。

ABOUTこの記事をかいた人

中村さつき

株式会社アイタンクジャパンのインターン生。大学に入学してからはボランティアや救命法に打ち込む。趣味はバイキング巡り、お菓子作り。